教室で悲鳴を聞いた十年の歳月という数字の虚実
また明日それは当然だったのに十四時四十六分の祈り
改札で電話が鳴った名乗らずにするりするりと話しだす君
笑う時首を傾げる癖のある君の横顔ばかり見ている
春風が新しい日を連れてきてもっと遠くへ行けそう、君と
面影は沈丁花だろうもう二度と会えないひとを想う早春