吐く息が重たい雪に混じってたあの日の長い長い家まで
安否問う父の電話に「今、生協。食べられるものほとんどないよ」
母不在三人だけで雑魚寝するこたつの上でラジオがしゃべる
こたつの夜家族三人寝られずにラジオが遠い余震が近い
帰宅して水はもらえた膝をつくだいたい五時の知らない星座
吾も同じ抑揚のない話し方してたかんぱん食べて気づいた
三月のままのあの子は二十一海に花束捧げて祈る
黙祷でじんわりまぶたの裏側に恐怖の渦が再生される